紺色の制服を着て笑顔を見せる女子生徒
学校えらび

女子校と共学、
どちらが向いている?

このページでは、どちらかをおすすめすることはしません。よく言われている違いを両方の側から並べ、ご家庭とお子さんの様子に照らして考えられるように整理しました。最後は、見学と本人の希望で決めていただくための材料です。

はじめにお伝えしたいこと

女子校と共学のどちらが優れているかを示した、決定的な根拠はありません。同じ「女子校」でも校風は学校ごとに大きく違い、「共学」も同じです。学校の種別より、その学校そのものの雰囲気と、お子さんとの相性のほうが影響は大きいと考えられています。

ですので、以下に並べるのは「そう言われることが多い」という傾向であって、どの学校にも当てはまる事実ではありません。気になった項目は、見学のときに実際に確かめてみてください。

女子校が合いやすいと言われる点

役割が固定されにくいと言われます

生徒会長も、文化祭の実行委員長も、理科の実験でリーダーを務めるのも、すべて女子が担うことになります。「こういう係は男子がやるもの」という前提が生まれにくい環境だ、という声があります。人前に立つ経験を早いうちから積みやすい、と話す卒業生の方もいます。

異性の目を気にせず過ごせるという声があります

思春期にさしかかる時期に、身なりや振る舞いを異性から評価される場面が少なくてすむ、と言われます。とくに、周りの視線を強く意識してしまうお子さんの場合は、その分だけ勉強や部活に集中しやすいのではないか、という見方があります。

理数系に進む心理的なハードルが下がると言われます

「理数は男子が得意」といった思い込みに触れる機会が少ない環境では、女子が理系科目を選びやすくなるのではないか、と指摘されることがあります。ただし、これは学校の理数教育の力の入れ方によっても変わりますので、実際のカリキュラムを確認する必要があります。

女性の先輩やロールモデルに出会いやすいという声があります

卒業生の進路が多様な学校では、さまざまな分野に進んだ先輩の話を聞く機会が用意されていることがあります。将来像を具体的に思い描く手がかりになった、という声があります。

気をつけて聞きたい点

「異性がいない環境に慣れると、進学先や職場で戸惑うのではないか」という心配も、よく語られます。一方で、部活動の対外試合や地域の活動、塾やきょうだいを通じた関わりなど、学校の外に接点があるご家庭も多くあります。心配な場合は、その学校が校外との交流をどのくらい持っているかを見学時に尋ねてみてください。

共学が合いやすいと言われる点

日常のなかで異性と関わる練習ができると言われます

意見が食い違ったときにどう伝えるか、どこまで踏み込むか。そうしたやりとりを、特別な行事ではなく毎日の教室で経験できる点が挙げられます。社会に出たあとの環境に近い、という見方があります。

選択肢の幅が広がりやすいという声があります

共学校は数が多いため、通学圏内で比べられる学校が増えます。部活動の種類、校則の厳しさ、進学と部活のバランスなど、条件で絞り込む余地が大きくなりやすい、と言われます。

公立中学からの流れをそのまま続けやすいと言われます

地元の小学校の友だちと同じ環境が続くこと自体が、お子さんにとっての安心につながる場合があります。環境の変化に時間がかかるタイプのお子さんには、この点が大きい、という声があります。

家計や通学の負担を抑えやすい場合があります

公立の共学校を選ぶ場合、費用と通学時間の両方を抑えられることが多くあります。ご家庭の資源を、塾や習い事、あるいは高校・大学以降に配分し直すという考え方もあります。

気をつけて聞きたい点

「共学では、女子が発言を控えたり、係を引き受けにくくなったりするのではないか」という心配も語られます。これも学校とクラスの雰囲気次第です。見学のときに、授業中に手を挙げているのが誰か、委員長や部長を務めているのが誰かを見てみると、その学校の実際が少し見えてきます。

大きな窓のある無人の教室。木の机が並んでいる
見学の日

案内されるのは、たいてい晴れた日の午前

見学は、たいてい晴れた日の午前に案内されます。掲示は貼り替えられ、廊下は片づき、机はまっすぐに並んでいます。その日に見えるのは、学校がいちばん整えた姿です。

それでも、整えきれないところは残ります。次の8項目は、そこを見るためのものです。

見学のときに見るべきポイント(8項目)

説明会の資料には、どの学校も良いことが書かれています。実際の様子は、資料ではなく現場でしか分かりません。見学に行かれるときは、次の8つを意識して見てみてください。学校ごとにメモを取っておくと、あとで比べやすくなります。

  1. 休み時間の生徒の表情と声の大きさ— 授業中の姿は来校者を意識して整えられがちです。廊下や中庭など、生徒が素のままでいる時間帯の様子のほうが参考になります。
  2. 生徒から先生への話しかけ方— 質問や雑談が自然に起きているか。距離が近すぎても遠すぎても、お子さんに合うかどうかは分かれます。
  3. 授業中に発言しているのが誰か— 特定の生徒に偏っているか、いろいろな生徒に回っているか。共学校では、男女どちらが多く発言しているかも見てみてください。
  4. 掲示物が今のものか— 廊下の掲示が最近の日付で更新されているか。行事や委員会が実際に動いているかどうかの手がかりになります。
  5. トイレと水回りの清潔さ— 娘さんが6年間、毎日使う場所です。設備の新しさより、手入れが行き届いているかを見てください。
  6. 通学路の実際の様子— 学校まで、お子さんと一緒に、平日の登校時間帯に一度歩いてみてください。人通り、道の暗さ、乗り換えの混雑は、休日の見学日には分かりません。
  7. 部活動の活動日数と実際の熱量— 週何日か、休みは取れるか、朝練はあるか。パンフレットの部活一覧に載っていても、実質的に活動していない部があることもあります。
  8. 在校生に直接聞ける機会があるか— 生徒が案内役を務める学校もあります。「入る前に思っていたことと違ったのはどこですか」と尋ねてみると、率直な答えが返ってくることがあります。

できれば、文化祭などの行事のときと、通常授業の日の両方をご覧になることをおすすめします。行事の日は学校がいちばん華やかに見える日でもあるためです。

決める前に確認したいこと

通学時間

片道の所要時間は、6年間ずっと続きます。乗り換えの回数、朝のラッシュ時に座れるかどうか、部活が遅くなった日の帰宅時刻まで含めて考えてみてください。往復で毎日2時間以上かかる場合、睡眠時間や家庭学習の時間にどう影響するかを、あらかじめ試算しておくと判断しやすくなります。学校説明会の日ではなく、平日の登校時間帯に実際に乗ってみることをおすすめします。

6年間の費用感

私立の中高一貫校は、公立と比べて費用が大きく異なります。各校の公式サイトで学費一覧を必ず確認してください。授業料だけでなく、入学時の納付金、施設費、制服や指定用品、修学旅行の積立、寄付金の有無なども公表されていることが多くあります。あわせて、通学定期代、塾や補習の費用も加えて、6年間の合計として見ておくと、家計の見通しが立てやすくなります。

きょうだいの進路

下のお子さんがいるご家庭では、その子が受験を迎える時期と重なる年に、家計と親御さんの時間がどうなるかを見ておいてください。上の子と同じ方針にする必要はありませんが、「上の子だけ私立」といった状況が、きょうだい間でどう受け止められるかを、あらかじめご夫婦で話しておくと後々の負担が減ります。

本人の希望

いちばん最後ではなく、いちばん最初に確かめておきたいことです。小学生のお子さんが自分で結論を出せるとは限りませんが、「どちらがいい?」ではなく「見学に行ってみて、どんなところが気になった?」と尋ねると、答えが出てきやすくなります。

本人が強く行きたがっていない学校に進んだ場合、入学後にうまくいかなかったときの受け止め方が変わってきます。逆に、親御さんが不安に思っている学校をお子さんが選んだときは、その不安の中身(通学の安全、費用、進学実績など)を具体的に伝えて、一緒に確かめる形にすると納得しやすくなります。

迷いが残ったままでも大丈夫です

中学入学の時点ですべてを決め切る必要はありません。高校からの進路変更、大学での選択、その先の進路と、判断の機会はこの先も何度もあります。いま完璧な答えを出そうとするより、6年間を無理なく通えるかどうかを基準に選ぶほうが、結果的にうまくいくことが多いようです。

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